大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和32(れ)2 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人鍛治利一及び同高谷清一郎の上告趣意中第二点ないし第四点について。

しかし、いわゆる旧刑訴法事件については新刑訴法施行後もなお旧刑訴法及び刑

訴応急措置法によるべき旨を定めた刑訴施行法二条の規定が憲法に違反するもので

ないことは、当裁判所の判例とするところであり(昭和二三年(れ)第一五七七号

同二四年五月一八日大法廷判決、刑集三巻六号八四七頁以下参照)、また右応急措

置法一二条一頁の規定が憲法三七条二項に違反しないことも当裁判所のくり返し判

示するところである(昭和二三年(れ)第二九四号同年七月二九日大法廷判決、刑

集二巻九号一〇五二頁、同二三年(れ)第九五〇号同年一〇月二一日第一小法廷判

決、同上一一号一三七七頁、同二三年(れ)第八三三号同二四年五月一八日大法廷

判決、刑集三巻六号七八九頁)。なお予審制度は現在廃止されているけれども、そ

の廃止前に行われた予審手続において適法に作成された予審訊問調書が、同制度の

廃止後においてもなお証拠能力を有することは、前記昭和二四年五月一八日大法廷

判決の趣旨に徴し明らかである(同二四年(れ)第一六〇一号同二五年一〇月一一

日大法廷判決、刑集四巻一〇号二〇一四頁)。されば、原審が証人A等の公判廷に

おける供述を措信しないで、同人等に対する司法警察官及び検事の聴取書並びに予

審訊問調書を証拠として採用したことを非難しこれをもつて憲法三七条一項違反で

あると主張する論旨は結局前提を欠き採るを得ない。論旨はすべて理由がない。

右弁護人両名の上告趣意第一点は、訴訟法違反及び事実誤認を主張するもの、弁

護人八尋伊三の上告趣意は訴訟法違反の主張であつて、いずれも刑訴四〇五条の上

告理由に当らない。(いわゆる旧刑訴法事件について、控訴裁判所は、有罪の言渡

をするに当り証拠により罪となるべき事実を認めた理由を説明するには、単に証拠

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の標目を掲げれば足りることは、旧刑訴事件の上訴審における審判の特例に関する

昭和二五年一二月二〇日最高裁判所規則第三〇号第八条の定めるところである。)

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて刑訴施行法三条の二、刑訴四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文の

とおり判決するo

昭和三二年一一月一九日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

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